ナイキ地対空ミサイルの命中精度
ナイキミサイルは、1953年からアメリカのウェスタン・
エレクトリック・カンパニーなどで開発された高高度
迎撃用地対空ミサイルです。
ナイキミサイルには、MIM-3 ナイキ・エイジャックスと、
MIM-14 ナイキ・ハーキュリーズ、およびゼウスの3種類
があります。
●ナイキエイジャックス
ナイキアヤックスは、1950年代初頭に運用が開始された
最初のナイキミサイルシステムです。
アヤックスは固体燃料ロケットブースターと液体燃料本体
ロケットの組み合わせを使用し、約30マイルの距離と
最大高度約70,000フィート(約21,000メートル)の目標を
迎撃する能力を持っていました。
●ナイキハーキュリーズ
ナイキアヤックスに続いて、ナイキハーキュリーズが
1950年代後半に導入されました。
ハーキュリーズは、その前身よりも高い高度と長い距離で
目標を迎撃できるよう改良され、核弾頭を搭載する能力も
持っていました。
このミサイルは、約150マイル(約240キロメートル)の
距離と最大高度約150,000フィート(約45,000メートル)
の目標を迎撃することが可能でした。
射程延伸と到達高度の増加、さらに核弾頭の搭載が可能で、
日本では「核ミサイル」としても議論されました。
●ナイキゼウス
ナイキゼウスは、主に弾道ミサイル防衛を目的とした
ナイキミサイルシリーズの中で最も進んだシステムです。
1960年代に開発されたゼウスは、敵のICBMを大気圏外で
迎撃する能力を持っていましたが、技術的な課題と政治的な
理由から実戦配備には至りませんでした。
ナイキ・エイジャックスとナイキ・ハーキュリーズの両方が、
1970年代に段階的に廃止されました。
より新しく、より洗練されたミサイルシステムに取って
代わられました。
ナイキミサイルシステムは、1980年代までにはより進んだ
地対空ミサイルシステムに置き換えられ、運用を終了しました。
しかし、これらのミサイルは冷戦期のアメリカの防空戦略に
おいて重要な役割を果たし、現在でも多くの場所で保存されて
いる歴史的な遺産となっています。
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