IRIS-T ミサイル
IRIS‑T(アイリスT)は、ドイツ主導で開発された高機動
・高精度の短距離空対空ミサイルです。
名前は “InfraRed Imaging System – Tail/Thrust
Vector Controlled” の略で、赤外線画像誘導と推力
偏向制御を使う高機動ミサイルとして知られています。
IRIS-T(アイリスティー)は、ドイツのディール・
ディフェンス社を中心に開発された、極めて高い機動性
と精度を誇る多目的ミサイルシステムです。
●IRIS‑Tとは何か
IRIS‑T は、ドイツの Diehl Defence を中心に、
スウェーデン・イタリアなどが参加して開発したミサイルで、
AIM‑9 サイドワインダーの後継として設計されました。
赤外線画像誘導(IIR)+推力偏向制御(TVC) により、
極めて高い旋回性能と命中精度を持つのが特徴です。
●主な性能(空対空型 IRIS‑T)
全長:2.94 m
直径:127 mm
重量:87.4 kg
速度:マッハ3級
射程:約25 km
誘導方式:慣性誘導+赤外線画像誘導(IIR)
弾頭:高性能破片効果弾頭
この誘導方式により、敵機のフレア(赤外線妨害)に強く、
後方だけでなくオフボアサイト(横方向)への攻撃能力も
高いのが特徴です。
●地対空型 IRIS‑T SLシリーズ
本来は空対空ミサイルですが、地上発射型として再設計
されたのが IRIS‑T SL(Surface Launched) シリーズです。
ウクライナでの実戦で高い迎撃率を示し、世界的に注目
されました。
バリエーションと射程
IRIS‑T SLS:短距離(射程 16 km)
IRIS‑T SLM:中距離(射程 40 km)
IRIS‑T SLX:長距離(射程 80 km、開発中)
●特徴
機動展開が容易な車載型ランチャー
赤外線誘導により妨害に強い
都市防空に適した高精度迎撃能力
ウクライナでは、初期の報告で「ほぼ100%に近い迎撃率」
とされ、世界の防空システムの中でもトップクラスの評価
を受けています(数値は議論あり)。
●なぜIRIS‑Tが重要視されるのか
高い機動性:推力偏向制御により近距離戦で圧倒的
妨害耐性:赤外線画像誘導でフレアに強い
モジュール性:空対空・地対空の両方に展開可能
実戦での実績:ウクライナでの高い迎撃性能
これらの要素が組み合わさり、現代の防空網において
非常に価値の高い兵器となっています。
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