ゼロ戦対グラマン
太平洋戦争の初期においては、ゼロ戦が米海軍の
F4Fグラマン・ワイルドキャットを次々と撃墜して
いました。
このため、ゼロ戦には無敵神話がありました。
そのような太平洋の空の制空権争いに終止符を打ったのが、
米海軍の新型戦闘機・グラマンF6Fヘルキャットです。
F6Fヘルキャットが登場する以前に、ある島で無傷の状態の
ゼロ戦が捕獲されてしまいました。
アメリカ軍は、この1機のゼロ戦を基にして、徹底的に分析
調査を開始しました。
こうして、ゼロ戦のよいところを取り入れて完成したのが
グラマンF6Fヘルキャット艦上戦闘機なのです。
強力なエンジンを搭載して、スピードはゼロ戦よりも速く
旋回性能もゼロ戦と互角かそれ以上のものになりました。
従来のF4Fワイルドヤット戦闘機のエンジンが1200馬力
であったにに対して、F6Fヘルキャットは、2100馬力
という強力なエンジンを搭載していました。
最高速度は、時速605km/h になり、当時の配備が始まった
ばかりの零戦五二型よりも37km/h も速くなっています。
12.7ミリ機銃が6挺を主翼両端に装備されています。
操縦士を保護するために、背面には強固な防弾板と自動防漏
タンクが備えられていました。
これらにより、速力、上昇力、運動性、あらゆる点で大幅に
性能が増強されました。
零戦五二型でも、従来型に比べて性能が向上していて、主翼内
燃料タンクに自動消火装置も装備されていました。
しかし、エンジンが1000馬力級のままでは、やはり限界
があります。
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