バトル・オブ・ブリテン
第二次世界大戦において、英国はドイツ空軍による
猛烈な空襲にさらされました。
この空戦は「バトル・オブ・ブリテン」と呼ばれ、
英国の運命をかけた壮絶な戦いとなりました。
「バトル・オブ・ブリテン」(Battle of Britain)は、
第二次世界大戦中の1940年7月10日から10月31日まで
行われた、ドイツ空軍(ルフトヴァッフェ)とイギリス
空軍(RAF)との間の航空戦を指します。
この戦いは、ナチス・ドイツによるイギリス本土侵攻作戦
「アシカ作戦」の一環として行われ、空を舞台に繰り
広げられた最初の大規模な戦闘です。
●なぜバトル・オブ・ブリテンが重要だったのか?
英国本土への侵攻阻止:
ドイツは、英国を降伏させ、ソ連との戦線に集中するため、
空軍力によって英国を制圧しようとしていました。
自由を守る戦い:
バトル・オブ・ブリテンは、ナチスドイツの侵略から自由を
守り抜くための象徴的な戦いとなりました。
航空戦の転換点:
この戦いを機に、航空戦の概念が大きく変化し、レーダーや
戦闘機の性能が飛躍的に向上しました。
●戦闘の特徴
空軍戦力
イギリス空軍(RAF): 主に「スピットファイア」と
「ハリケーン」戦闘機を使用。
ドイツ空軍(ルフトヴァッフェ):
爆撃機(ハインケルHe 111、ドルニエDo 17、ユンカースJu 88)
と護衛戦闘機(メッサーシュミットBf 109)を投入。
戦術
ドイツは最初、イギリス南東部の防空施設や飛行場を標的と
しました。
後にロンドンや主要都市を空襲(ブリッツ)する戦術に
切り替えました。
技術と情報
イギリスはレーダー(Chain Homeシステム)を活用し、敵の
接近を事前に察知。
ドイツの暗号通信「エニグマ」を解読し、作戦情報を得ること
に成功しました。
●結果と影響
ドイツの敗北:
制空権を確保できなかったため、イギリス本土侵攻作戦は
中止されました。
人的損失:
イギリス: 544人のパイロットが戦死。
ドイツ:
約2,600機の航空機が撃墜され、多くのパイロットを失いました。
歴史的意義:
連合国側がナチスの侵略に初めて成功裏に抵抗した戦いであり、
イギリス国民に強い士気を与えました。
バトル・オブ・ブリテンは、航空戦史だけでなく第二次世界大戦
全体のターニングポイントとしても重要な位置を占めています。
「ヨーロッパ戦線」カテゴリーの関連記事