レラントス戦争
レラントス戦争(紀元前710年 – 紀元前650年頃)は、古代
ギリシアのエウボイア島にあった都市国家、カルキスと
エレトリアの間で起こった戦争です。
この戦争は、エウボイア島の肥沃なレラントス平野の支配権
を巡って争われたとされています。
カルキスとエレトリアという二つの都市国家が、肥沃な
レラントス平野の支配を巡って争いました。
この戦争は単なる地域紛争にとどまらず、多くのギリシア
の都市国家を巻き込んだ大規模な戦いとなりました。
最終的にカルキスが勝利しましたが、長期にわたる戦争に
よってエウボイア島は衰退し、経済的な影響も大きかったと
されています。
戦争の結果、エレトリアは周辺の島々の支配を失い、
カルキスも長期的な衰退期に入ることになりました。
この戦争は、古代ギリシアにおいてトロイア戦争とペルシア
戦争の間に起こった唯一の大規模な戦争とされ、歴史的に
重要な出来事の一つです。
●背景
レラントス平野: エウボイア島にある肥沃な平野で、農業
生産性が高く、両都市にとって重要な資源でした。
植民活動: カルキスとエレトリアは、ともに活発な植民活動
を展開し、ギリシア世界各地に植民市を建設していました。
この過程で両都市の勢力が拡大し、レラントス平野の支配権
を巡る対立が深まりました。
●経過
戦争の規模: トゥキュディデスによれば、レラントス戦争は、
トロイア戦争とペルシア戦争の間に行われた戦争の中で、
ギリシアの多くのポリスが参加した大規模な戦争でした。
参加勢力: カルキス側にはサモス、テッサリアなどが、
エレトリア側にはミレトスなどが加勢したとされています。
戦闘: 当時のギリシアでは、重装歩兵戦術がまだ普及して
おらず、戦争は主に軽装歩兵や騎兵によって行われたと
考えられています。
鉄の使用: この戦争において、ギリシア本土で初めて鉄製
の武器が使用されたという説もあります。
●結果・影響
カルキスの勝利: 最終的にはカルキスが勝利したとされて
いますが、この戦争によって両都市は大きな損害を受け、
衰退しました。
ギリシア世界の変動: レラントス戦争は、ギリシア世界の
勢力図を塗り替える一因となり、その後のポリス間の抗争
や植民活動に影響を与えました。
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