コーヒーの歴史
コーヒーの歴史は、神話と冒険、宗教と商業、そして
文化の交差点で織りなされた壮大な物語です。
コーヒーの歴史は非常に古く、様々な伝説とともに
世界中に広まっていきました。
●コーヒーの起源と初期の広まり
発祥の地: コーヒーの原産地は、エチオピアの
アビシニア高原と考えられています。
カルディの伝説: 最も有名な伝説では、9世紀頃に
エチオピアの羊飼いカルディが、自分のヤギが赤い
実を食べた後に興奮して眠らなくなったことに気づき、
その実を試したところ、自身も活力を得たという話が
あります。
この実を修道僧に伝えたところ、夜中の儀式で眠気
と戦う僧侶たちが、この実を煮出して飲むことで
集中力を維持できるようになったと言われています。
初期の利用: 最初期には薬用として用いられ、900年頃
にはアラビアの医師ラーゼスがコーヒーの薬理効果に
ついて記述しています。
●アラビア世界から世界へ
アラビア半島への伝播: エチオピアからイエメンなど
のアラビア半島に伝わり、15世紀頃にはイスラム世界
で広く愛飲されるようになりました。
イスラム教で飲酒が禁止されていたこともあり、
コーヒーは嗜好品として重宝されました。
コーヒーハウスの誕生: 1554年にはトルコの
コンスタンティノープルに世界初のコーヒーハウス
「カーヴェハーネ」が開店し、人々が集い、情報交換
や議論をする社交の場となりました。
●ヨーロッパへの伝播
17世紀のヨーロッパ: 17世紀初頭までにコーヒーは
ヨーロッパに伝わります。
イタリア: 1645年にはベネチアに最初のコーヒー
ハウスが開店。
イギリス: 1650年にはオックスフォード大学に
コーヒーが持ち込まれ、1652年にはロンドンで
最初のコーヒーハウスが開店しました。
これらのコーヒーハウスは「ペニー大学」と呼ばれ、
知識人たちの交流の場となりました。
フランス・ドイツ: 17世紀後半にはフランスや
ドイツにも広まり、特にドイツの作曲家バッハが
「コーヒー・カンタータ」を作曲するなど、
文化にも影響を与えました。
栽培の拡大: オランダは17世紀末にインドから
コーヒーノキの苗木をジャワ島
(現在のインドネシア)に運び、栽培に成功。
これがインドネシアのコーヒー産業の礎となります。
また、フランスは18世紀にマルティニーク島へ苗木
を運び、中南米でのコーヒー栽培拡大に貢献しました。
●アメリカ大陸への広まりと大衆化
アメリカへの伝播: 1607年にキャプテン・ジョン・
スミスによってアメリカにコーヒーが伝えられました。
大衆化: 18世紀から19世紀にかけて、宣教師や商人に
よって世界各地にコーヒーの種が運ばれ、栽培が拡大
しました。
特にラテンアメリカでの大規模なプランテーション
が発展し、コーヒーは世界の主要な輸出品となりま
した。
焙煎や包装技術の進歩も相まって、コーヒーの価格
が下がり、大衆的な飲み物として普及していきました。
●日本への伝来
鎖国中の日本: 日本には17世紀末から18世紀頃、
鎖国中の長崎の出島にオランダ商人によって
伝えられたと考えられています。
当初はごく限られた人々が口にする珍しい飲み物でした。
文明開化と普及: 1854年の開国後、西洋文化とともに
コーヒーも少しずつ広まり始めました。
1888年には東京に日本初の喫茶店「可否茶館」が開店
しました。
現代の普及: 戦後の復興期には、アメリカ式コーヒー
やインスタントコーヒー、缶コーヒーなどが普及し、
コーヒーは日本人の生活に深く根付いていきました。
このように、コーヒーはエチオピアで発見されてから、
薬用から嗜好品へと変化し、様々な経路を経て世界中
に広まり、その地域の文化や経済にも大きな影響を
与えてきました。
Sponsered Link
「食べ物の歴史」カテゴリーの関連記事


