皮膚の中に住みつくダニ
ヒゼンダニは人間の皮膚の中に潜り込む
疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニ(ビゼンダニとも言う)というダニが
皮膚に感染することで起こる病気であり、体の全身が非常にかゆくなる
ことが特徴です。
最近では、病院、高齢者施設、養護施設などでの集団発生が多く
生じています。
見た目だけでは湿疹と区別がつきにくいので、ヒゼンダニの卵を手足や
陰部から顕微鏡で確認することで診断できます。
ヒゼンダニのメスは、人間の皮膚の表面の角質層のすみかを移動しながら、
トンネルの中を掘り進んでいき、皮膚の中でも特に柔らかいところに次々
と産卵します。そして、幼虫は数日で孵化します。
オスは、メスを見つけるために皮膚の表面を移動していきますが、通常は
発見することはできません。
ヒゼンダニは、人と人との接触で感染し、衣類やベッド類などを介して伝染
することがあり、家庭内での感染にも注意が必要です。
感染後はすぐには全く症状が出ないためにわかりにくいのですが、感染後
4週間から6週間で多くのダニが増殖します。
そして、脱皮殻やダニのフンがアレルギー反応の原因となり、激しいかゆみ
が始まることになります。
もしも、疥癬にかかった人に触れたような場合には、手を十分に洗っておく
必要があります。
ヒゼンダニは人間の皮膚内に潜入して生活をしているために、乾燥に弱くて、
人間の体内からでるとすぐに乾燥して2時間ほどで死んでしまいます。
皮膚内には生きたヒゼンダニだけではなく、その死骸とフンも存在して
います。
ダニは高温と乾燥に弱いために、布団はまめに干して、下着やシーツは
毎日洗濯した方がよいでしょう。また、タオルなどから移る場合もあります。
ヒゼンダニの潜伏期間や1ケ月ほどであり、皮膚が特に柔らかい場所に
赤い丘疹が表れてきます。
首筋、下腹部、尻、腋の下、手首、陰部など、さらに男性の場合は性器にも
感染してきます。
疥癬を治療するには、ストロメクトール、スミスリンローションなどの
ヒゼンダニを殺す薬で治療します。
完治するためには1ヶ月程度がかかり、その後もかゆみが残ることがあり、
再発の危険もあることから、3ヶ月間は様子をみる必要があります。
また、特効薬であるイベルメクチンを1日1回で数日間内服する方法
もあります。
さらに、これ以外の治療法として、オイラックス軟膏、硫黄軟膏、
安息香酸ベンジル外用、などを全身に塗り残しがないように塗る方法
もあります。
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