M22軽戦車
M22軽戦車(Light Tank M22)は、第二次世界大戦中
にアメリカで開発された空挺戦車です。
イギリス軍に供与された際には「ローカスト(Locust:
ワタリバッタの意)」の愛称で呼ばれました。
●性能諸元
全長: 3.93 m
全幅: 2.23 m
全高: 1.75 m
重量: 7.3 t
懸架方式: 垂直ボギー式
最大速度: 64 km/h
行動距離: 180 km
主砲: M6 37 mm 戦車砲 1基
副武装: M1919 7.62mm機関銃 1丁
装甲: 12 – 25 mm
エンジン: ライカミング O-435T 4ストローク空冷水平
対向6気筒ガソリン 162hp
乗員: 3名
●開発経緯
1941年2月、アメリカ陸軍航空隊は、輸送機による空輸
が可能な空挺戦車の開発を造兵局に要求しました。
当初は実現が困難とされていましたが、大型グライダー
(ハミルカー)を開発中だったイギリス軍がこの計画に
注目し、イギリスからの要望もあって要求仕様がまとめ
られました。
要求案は「戦闘重量7.5トン、全長3.5メートル、
全高1.67メートル以内に収めること」というもので、
これに対しゼネラルモーターズ社など3社が試作案
を提示し、マーモン・ヘリントン社の案が最適と
判断され採用されました。
試作車はT9と命名され、砲塔は鋳造、車体は圧延鋼板の
溶接構造で、M6 37mm戦車砲と主砲同軸機関銃1丁、
車体固定式機関銃2丁を装備していました。
しかし、当時のアメリカ軍にはこの車両を搭載できる
大型輸送機がなかったため、輸送時には砲塔を取り外して
車体を機体の下に吊り下げる方式が採用されました。
このため、軽量化のために車体前面の固定式機関銃、
電動式砲塔旋回装置、主砲のジャイロスタビライザーが
取り外されたT9E1として改良されました。
砲塔を取り外す形式のため、着陸後に組み立て作業が
必要となり、アメリカ軍では空挺降下させての運用は
できず、輸送機で空輸可能な「空挺戦車」という位置
づけでした。
1943年4月から1944年2月にかけて合計830両が生産され、
うち260両がレンドリース法に基づいてイギリス軍に
供与されました。
●実戦での運用
M22ローカストが実戦で運用されたのは、第二次世界
大戦中の1945年3月に行われたライン川渡河作戦
「ヴァーシティー作戦」が唯一の機会でした。
イギリス軍の第6空挺師団がM22ローカストをグライダー
で輸送し、8両が投入されました。
しかし、着陸時に損傷したり、戦闘で破壊されたり
する車両もあり、期待されたほどの戦果は挙げられ
ませんでした。
第二次世界大戦後、M22ローカストはすぐに旧式化と
判断され、退役しました。
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