M36 駆逐戦車 ジャクソン
M36 駆逐戦車 ジャクソン (M36 Gun Motor Carriage “Jackson”)
は、第二次世界大戦中にアメリカ陸軍が開発・使用した対戦車
自走砲、いわゆる「駆逐戦車」です。
強力な90mm砲を搭載し、ドイツ軍のティーガーやパンター戦車
に対抗するために投入されました。
砲塔がオープントップ構造なのも特徴的です。
●開発の経緯
M10駆逐戦車の火力不足: 第二次世界大戦中期にアメリカ軍が
主力としていたM10駆逐戦車は、76mm砲を搭載していましたが、
ドイツ軍のティーガーやパンターといった重戦車に対しては
火力不足が指摘されるようになりました。
90mm砲の搭載: この状況に対処するため、より強力な90mm砲を
搭載した駆逐戦車の開発が求められました。
M10の砲塔では90mm砲を搭載できなかったため、新しい砲塔が
開発され、M10の車台にこの新型砲塔を搭載した車両がM36
として制式化されました。
生産: 1943年11月から1945年9月にかけて、M10やM4シャーマン
戦車の車台を利用して、合計2,324両が生産されました。
●特徴
強力な主砲: M36の最大の特長は、強力な90mm砲です。
これにより、ドイツ軍の重戦車に対抗できる火力を手に
入れました。
オープントップ砲塔: M10から引き継いだオープントップ(
天板がない)の砲塔は、上空からの視界が良好で、砲弾の
装填作業も容易でした。
一方で、乗員が砲弾や手榴弾、狙撃兵の攻撃に晒されると
いう弱点もありました。
愛称「ジャクソン」: 「ジャクソン」という愛称は、南北戦争
で活躍したアメリカ連合国の将軍、ストーンウォール・
ジャクソンに由来するとされています。
ただし、この名称は公式なものではなく、戦後に広まった
通称とされています。
●戦歴
ヨーロッパ戦線: 1944年後半からヨーロッパ戦線に投入され、
ドイツ軍の重戦車と対峙しました。その強力な90mm砲は、
多くのドイツ戦車を撃破する「火消し役」として活躍しま
した。
朝鮮戦争: 第二次世界大戦後も、朝鮮戦争などで使用され
ました。
冷戦時代: ユーゴスラビアなど一部の国では、冷戦時代に
入ってからも近代化改修を施して1990年代まで運用され
ました。
●日本との関係
M36B2が1両、試験評価用として陸上自衛隊に供与されま
した。
この車両の90mm砲は、戦後初の国産戦車である61式戦車の
開発に大きく貢献しました。
現在、その車両は陸上自衛隊土浦駐屯地で展示されてい
ます。
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