MGM/CGM-13 メイス
MGM-13/CGM-13 メイス(Mace) は、アメリカ空軍が
1950年代に開発・配備した地対地巡航ミサイルです。
第二次世界大戦末期の「V-1」やアメリカ初の量産
巡航ミサイル MGM-1 マタドール の後継として設計
されました。
●概要:
開発経緯: MGM-1 マタドールから発展したミサイル
です。
通称「メイス」の意味: 打撃武器の「戦棍」や「鎚矛」、
または儀礼用の「職杖」を意味します。
初期の名称: 1963年の命名規則の変更までは「TM-76
戦術ミサイル」と呼ばれていました。
改名後の区分:
MGM-13: 移動発射型(Mobile Ground-launched Missile)
CGM-13: コンテナ(掩蔽壕)発射型(Container Ground-
launched Missile)
配備・退役: 1959年に導入が始まり、1970年代初頭まで
運用されていました。
弾頭: 通常弾頭、またはW28核弾頭
(核出力:70 kt~1.45 Mt)を搭載可能でした。
推進方式: 固体燃料ブースターロケットによる初期加速と、
アリソン J33ターボジェットエンジンによる巡航。
主な配備地: 西ドイツ、およびアメリカ軍占領下の沖縄
(1961年から)。
●主なバリエーション:
メイスA (MGM-13A): ATRAN(Automatic Terrain Recognition
And Navigation)地形照合レーダー航法装置を装備。
可動式トレーラーランチャーに搭載。
メイスB (CGM-13B): 慣性航法装置を装備し、射程が延伸。
コンクリートで強化された掩蔽壕から発射されるよう設計され、
沖縄にも配備されました。
●特徴
全長:約13.7 m
翼幅:4.6 m
重量:およそ8.6トン
エンジン:アリソン J33 ターボジェット(推力約4,600 kg)
射程:2,000 km前後(Mace B型で延長)
速度:高亜音速(マッハ0.85程度)
●誘導方式
Mace A (TM-76A / MGM-13A)
地上のレーダー誘導(AN/MSQ-1による地上管制)を利用。
そのため発射後も誘導施設に依存。
Mace B (TM-76B / CGM-13B)
慣性航法システム(地形照合航法システム「AN/APS-95 ATRAN」)
を採用。
発射後は自律航行が可能で、より信頼性が高かった。
●弾頭
核弾頭:W28熱核弾頭(当初はW5/W7を搭載)
威力:1.1メガトン級(W28)
●配備と運用
配備地域:西ドイツ、沖縄、韓国など冷戦前線基地
発射形態:移動式トレーラーや地下サイロ(Mace Bの一部)
役割:戦術核攻撃・戦域核抑止
●評価
長所
当時としては長射程の核巡航ミサイルで、ソ連への抑止力
を提供。
Mace B型は自律航法により命中精度が向上。
短所
大型・重量のため即応性に欠ける。
1960年代半ばにはICBM(大陸間弾道ミサイル)やSLBMの発展
で戦略的価値が低下。
結果として1969年に全廃。
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