巡航戦車 クロムウェル
クロムウェル巡航戦車(Cromwell Cruiser Tank)は、第二次世界大戦期
にイギリスで開発された高速・機動力重視の戦車で、1944年のノルマンディー
上陸作戦以降に活躍しました。
●開発の背景
イギリス陸軍は「歩兵戦車(重装甲・低速)」と「巡航戦車
(高速・機動力重視)」の二系列を運用していました。クロムウェルは、
より強力なエンジンと高速性能を求める流れの中で開発された巡航戦車
です。
■ 主な特徴
● 1. パワフルなエンジン
ロールス・ロイス メテオエンジン(V12) を採用
└ 航空機用マーリンエンジンを戦車用に改造したもの
出力: 600馬力級
これにより、当時の英戦車としては非常に高い機動力を実現
● 2. 優れた機動性
最高速度:約64 km/h(公道)
オフロードでも良好な走破性
同時期のシャーマンよりも高速で、操縦性が良かったと評される
● 3. 武装
初期型は 6ポンド砲(57 mm)だったが、のちに威力向上のため
75 mm砲 に変更。
75mm砲は榴弾性能が高く、対歩兵・対陣地攻撃にも有効でした。
● 4. 装甲
最大装甲厚:約76 mm
傾斜装甲を持たないため防御力は中程度
敵の重戦車(ティーガー、パンター)にはやや劣勢
●■ 実戦での活躍
1944年の**ノルマンディー上陸作戦(D-Day)**後から本格投入
英軍・ポーランド軍・チェコスロバキア自由軍が使用
高速機動戦で偵察・突破・包囲などに活躍
後に後継の コメット(Comet) が登場し主力は移行
特に英第7機甲師団(“砂漠のネズミ”)の使用が有名です。
■ バリエーション
Cromwell I~VII:主砲や装甲などの違い
チャーチルの車体に似た C 型
対空型
指揮戦車(無線装備強化)
偵察用の派生型 チャリオティア(Charioteer)(英国外で冷戦期
まで使用)
■ 総合評価
クロムウェルは「最も成功したイギリス巡航戦車」と言われるほど
高機動で信頼性の高い戦車でした。
火力・装甲は中程度ですが、その優れたスピードは連合軍戦車の
中でも突出しており、第二次大戦後の戦車開発にも影響を与えました。
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