歩兵戦車 Mk.III バレンタイン
歩兵戦車 Mk.III バレンタイン(Valentine)は、第二次世界大戦期
にイギリスで最も多く生産された戦車のひとつで、1940〜1944年に
約8,275輌が製造された歩兵戦車です。
●概要と特徴
分類:歩兵戦車(Infantry Tank)
開発:ヴィッカース社の私案として1938年に提出された設計が
採用された。
生産数:英国で6,855輌、カナダで1,420輌。
運用国:イギリス、ソ連(レンドリース)、ニュージーランドなど。
戦歴:北アフリカ戦線、東部戦線、1948年の第一次中東戦争など。
●技術的特徴
重量:約16トン
装甲:8〜65mm(最大約60mmと当時としては厚い)
乗員:
Mk I, II, IV, VI–XI:3名(車長・砲手・操縦手)
Mk III, V:4名(装填手追加)
主砲:
初期型:2ポンド砲(40mm)
中期型:6ポンド砲(57mm)
後期型:75mm砲(Mk XI)
エンジン:AEC製エンジン(型式により異なる)
●設計思想と評価
歩兵戦車としては軽量で機動性が高め
Matilda II より軽く、同等の装甲を確保しつつコストと
生産性を重視した設計。
信頼性が高く整備性が良いため、ソ連でも高く評価された。
欠点:
多くの型で2人用砲塔だったため、車長の負担が大きく
戦闘効率が低下。
火力の近代化が遅れ、後期には対戦車戦闘力が不足。
●バリエーション
Mk I(Valentine I):初期型、2ポンド砲、リベット装甲。
Mk VIII–X:6ポンド砲搭載で火力向上。
Mk XI:75mm砲搭載の最終型。
●戦場での役割
北アフリカ戦線では堅牢さと信頼性で重宝され、
ソ連ではレンドリース供与車として広く使用され、
冬季環境でも高い稼働率を示した。
「陸上兵器」カテゴリーの関連記事


