IDAS ミサイル
IDAS(Interactive Defence and Attack System for Submarines)
は、潜水艦の常識を覆すユニークなミサイルシステムです。
通常、潜水艦は空からの脅威(対潜ヘリコプターなど)に対して
「隠れる」しかありませんが、IDASはその脅威を返り討ちにするため
に開発されました。
ドイツのディール・ディフェンス社を中心に開発が進められています。
IDASは、ドイツが開発中の潜水艦発射型の対空・対艦ミサイルで
潜水艦が水中にいながらヘリコプターや小型艦艇に反撃できるという
点で非常に特徴的です。
従来の潜水艦は「見つかったら逃げるしかない」状況でしたが、IDAS
はその常識を変える存在として注目されています。
●IDASとは何か
開発国:ドイツ(ディール・ディフェンス、ティッセンクルップ・
マリン・システムズ)
用途:潜水艦から発射する対空/対艦/対地ミサイル
搭載艦:Type 209、212A、212CDなどの通常動力潜水艦向け
IDASはIRIS-T空対空ミサイルをベースにしており、赤外線画像シーカー
と光ファイバー誘導を組み合わせた高精度誘導が特徴です。
●なぜ潜水艦に対空ミサイルが必要なのか
潜水艦にとって最大の脅威は、
対潜ヘリコプター(ディッピングソナー搭載)
対潜哨戒機
軽量魚雷を搭載した航空機
これらは潜水艦を発見し、魚雷で攻撃できます。しかし潜水艦側には
従来、反撃手段がほぼ存在しませんでした。
IDASはこの弱点を補い、潜水艦が水中から直接ヘリを撃墜できる
ようにします。
●主要な性能
全長:約2.5 m
直径:180 mm
重量:約120 kg(※Wikipediaは20 kgと記載するが、他資料では
120 kg)
射程:15〜20 km
速度:亜音速
誘導方式:
中間:自立誘導
終末:赤外線画像シーカー
光ファイバーによる手動誘導も可能
●発射方式の特徴
IDASは魚雷発射管から4発まとめて装填でき、発射後は
光ファイバー
を繰り出しながら上昇し、水面を突破して飛翔します。
水中発射 → 上昇 → 水面突破 → 目標へ誘導
光ファイバーにより、潜水艦内でミサイルの視界を見ながら
操縦可能
●運用上の意義
潜水艦の生存性が大幅に向上
浅海域や沿岸での行動が安全に
対潜ヘリを撃退できるため、敵の対潜戦術に大きな影響
小型艦艇や沿岸目標への攻撃も可能で、多用途性が高い
●最近の動向
2025年のMSPO展示会で実物大モデルが公開され、開発の
進展が強調されました。
ドイツ海軍のType 212A向けシステムとして引き続き
開発が進行中。
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