音響兵器
音響兵器(おんきょうへいき、英: Acoustic weapon)
とは、音波や超音波、低周波音を利用して、人や物を
対象に様々な影響を与えることを目的とした兵器の
総称です。
非致死性兵器(Non-lethal weapon)の一種として分類
されることが多いですが、その出力によっては深刻な
健康被害や物的損害を引き起こす可能性もあります。
一般的には、人の行動能力や判断能力を奪う、聴覚器官
や脳にダメージを与える、または物体を破壊することを
目的としています。
例えば、アメリカ軍が使用するLRAD(長距離音響装置)
は、強力な指向性音波を発生させることで、敵の行動
を妨害したり、群衆を制御するために使われています。
また、イスラエル軍は「スクリーム(叫び)」と
呼ばれる音響兵器を使用し、デモ隊の排除などに
活用していることが報じられています。
音響兵器には、可聴域兵器(聞こえる音)、超音波兵器
(聞こえない高周波)、低周波兵器(聞こえない低周波)
などの種類があり、それぞれ異なる影響を与えます。
例えば、低周波兵器は内臓に共鳴して損傷を与える
可能性があるとされ、まさに「サイレントキラー」
のような兵器とも言われています。
音響兵器は「非致死性兵器」として分類されることが
多いですが、長時間の使用によって聴覚障害や健康
被害を引き起こす可能性があるため、安全性について
は議論が続いています。
●大音量による直接的な攻撃:
LRAD (Long Range Acoustic Device: 長距離音響発生装置):
最もよく知られている音響兵器の一つで、強力な指向性を
持つ音波を遠くまで届けることができます。
特定の範囲(約30度)に限定して音を集中させることが
可能で、最大160デシベルを超える大音量を発すること
ができます。
これにより、デモ隊の鎮圧、海賊の接近阻止、群衆の分散
などに使用されます。
高出力の場合、近距離では聴覚障害や頭痛、めまい、
吐き気などの身体的苦痛を引き起こす可能性があります。
歴史的な例: 第二次世界大戦中のナチスドイツの爆撃機
「ユンカースJu87」は、急降下時の風切り音に敵兵を威嚇
する効果が認められ、サイレンを装備するようになりました。
また、ドイツ軍は音波を共鳴増幅させて航空機に打撃を
与える「音波砲」も試作しました。
●特定の周波数帯(超音波、低周波など)を利用した攻撃:
人間の可聴域外の音波を利用して、聴覚以外に影響を与える
ことを目的とした兵器です。
低周波音: 人間には聞こえない、あるいは聞こえにくい
低周波音(20Hz以下)を発生させることで、不安感、吐き気、
平衡感覚の喪失、臓器の振動などの不快な症状を引き起こす
ことが研究されています。
超音波: 超音波(20kHz以上)を特定の部位に照射することで、
脳への影響や、特定の症状(頭痛、めまい、吐き気など)を
誘発する可能性が指摘されています。
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