各国の手りゅう弾の違い
手榴弾は各国で開発され、その歴史的背景や戦術思
想によって多様な違いがあります。
主な違いとしては、形状、起爆方式、使用される素材、
そして用途が挙げられます。
各国の手りゅう弾には、設計思想や使用目的、戦術的
背景の違いから多様なバリエーションがあります。
手榴弾は国や時代によって形状、炸薬の種類、使用
目的などが異なります。
一般的に、手榴弾は攻撃用と防御用に分類され、
攻撃用は爆風で敵を攻撃、防御用は破片で広範囲
を攻撃します。
●形状
柄付き型(スティック型): ドイツの「ポテトマッシャー
」に代表される形状です。
柄が付いているため握りやすく、遠心力を利用してより
遠くへ投擲できるとされていました。
しかし、重くかさばるため携行数が限られるという欠点
があり、現代ではほとんど使用されていません。
ただし、中国人民解放軍など、一部の国では戦後も柄付き
手榴弾の開発・保有を続けている例もあります。
卵形/パイナップル型(破片型): イギリスのミルズボムや
アメリカのM67手榴弾に代表される、表面に凹凸がある形状
です。
この凹凸は、投擲時に握りやすく滑りにくくするための
ものであり、爆発時の破片効果とは直接関係ありません
(多くの人が勘違いしている点です)。
現代の手榴弾の主流であり、安全ピンと安全レバーに
よる起爆方式が一般的です。
●起爆方式
時限信管: 発火リングや安全ピンを抜いた後、一定時間
(数秒)で爆発するタイプです。柄付き型や卵形の多く
に採用されています。
着発信管: 着弾時の衝撃で起爆するタイプです。
擲弾発射器(グレネードランチャー)から発射される
グレネード弾に多く見られます。
旧日本軍の手榴弾: 硬いものに叩きつけて信管を作動
させるタイプも存在しました。
●素材
鉄製: 近代の手榴弾の多くは圧延加工された鉄板で
作られています。
陶器製: 第二次世界大戦末期の日本軍やソビエトでは、
金属不足から陶器製の手榴弾も製造されました。
コンクリート製: 同時期のドイツではコンクリート製
の手榴弾も存在しました。
特殊素材: ドイツの「ニポリト手榴弾」のように、
使用期限切れの火薬を再生し、弾頭から柄まで爆発物
だけで一体成形されたものもありました。
●用途による分類
手榴弾は、その用途によっても様々な種類があります。
破片手榴弾(防御型): 爆薬の爆発によって弾体や内部
の金属片を高速で飛散させ、広範囲の敵に危害を与える
ことを目的としています。
防御的な位置から使用されることを想定しており、
破片の飛散範囲が広いのが特徴です。
多くの国で最も一般的なタイプです。
攻撃手榴弾(攻撃型): 破片を飛散させるのではなく、
爆風(衝撃波)による殺傷効果を重視した手榴弾です。
爆風効果が主であるため、破片手榴弾よりも安全な距離
が短く、攻撃時に味方を巻き込むリスクが少ないため、
屋内掃討など近接戦闘で使用されます。
焼夷手榴弾: テルミット反応や黄燐の燃焼を利用し、
目標を燃やすことを目的とした手榴弾です。
発煙手榴弾: 煙幕を発生させ、視界を遮断したり、
信号を送ったりする目的で使用されます。
音響閃光手榴弾(スタングレネード、フラッシュバン):
強い閃光と爆音を発して敵の視覚と聴覚を一時的に奪い、
行動不能にする非殺傷型の手榴弾です。
主に特殊部隊や警察で使用されます。
催涙手榴弾: 催涙ガスを散布し、敵を一時的に無力化
する非殺傷型の手榴弾です。
対戦車手榴弾: 比較的厚い装甲を貫通し、戦車や装甲車
にダメージを与えることを目的とした手榴弾です。
現代では専門の対戦車兵器が主流ですが、過去には
手榴弾型のものも存在しました。
●各国の特徴的な手榴弾(歴史的な例を含む)
ドイツ: 柄付き手榴弾(Stielhandgranate、通称ポテト
マッシャー)が有名です。
第一次・第二次世界大戦で広く使用されました。
現代ではDM51のような、スリーブの着脱で破片型と
攻撃型を使い分けられる手榴弾も開発されています。
イギリス: ミルズボム(No.36 Mills Bomb)が有名で、
第一次・第二次世界大戦で広く使用されました。
パイナップル型手榴弾の代表例の一つです。
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