学習院大学ヨット遭難事故
学習院大学ヨット遭難事故は、1964年(昭和39年)3月20日
に発生した海難事故であり、5名の学生が死亡しました。
この日の午前11時30分頃、強風注意報・波浪注意報が出ている
最中において、学習院大学ヨット部の一行5人が乗り込んだ
「翔鶴号」が、横浜市中区新山下町の横浜ヨットハーバーから
油壺に向けて出航しました。
これは、NORC初島ヨットレースに出場するためのものです。
翔鶴号は全長28フィート(約10メートル)で3馬力の補助エンジンが
付いていました。
事故当日は南西方向から極めて強い風が吹いており、遭難の時間帯
に平均風速21メートルを観測していました。、
しかし、予定の翌21日午前になっても油壺に到着せず、別の
ヨットが途中で強風を避けた後無事に着いていることから遭難が
疑われました。
関係者は21日午前10時に該当海域を管轄する第三管区海上保安本部
に届け出ました。
海上保安本部は巡視艇や航空機を用いて捜索を開始し、遺体が
発見されるまでの数日間にわたって捜索が続けられました。
遭難事故発生から5日後の3月25日早朝から、地元の漁船10隻の助けを
借りながらサルベージ船による引き上げ作業が始まり、昼過ぎに翔鶴号は
浮上しました。
調査したところ、上部にはほとんど傷は無くわずかにデッキ周りが
曲がっている程度でした。
事故の原因は、荒天の中セールとエンジンのトラブルにより航行能力を
失い、強い風で暗礁まで吹き流されて座礁、沈没したものと推察されました。
この事故は、学生たちの命を奪った悲劇的な出来事であり、その背後には
風や波の厳しい自然環境と、ヨットの航行能力に影響を及ぼす技術的問題が
絡んでいたことがわかります。
Sponsered Link
「事故の映像」カテゴリーの関連記事