V2ロケットが発射するカラー映像
開発主任のウエルナー・フォンブラウンの姿も見える。
V2ロケット開発の背景
イギリス国民を恐怖のどん底に落とし入れたドイツのV2ロケット
当初から、イギリス情報部も、ドイツ軍が秘密兵器を開発しているという
情報をすでに収集していた。
バルト海沿岸のペーネミュンデで、ドイツ軍が秘密兵器を開発中で
あるという情報であった。
長距離ロケットの開発らしいが、誘導できるようなロケットである
などとは思ってなくて、長距離砲のようなものだと推測していた。
だから、このロケットが戦況を左右するようなものとは思っていなかった。
そのため、この情報はいつのまにか忘れられることになった。
V2ロケットは、当時のイギリス国民が理解しているよりも
はるかに先んじているものであった。
ドイツ軍はイギリス本土を大規模な爆撃後に、
本土上陸を計画していたが、上陸どころか、初期の空爆の段階で
つまづいている。
そんなときに、イギリス情報部にドイツの長距離ミサイルに
が飛行距離300kmに達する実験に成功したという情報が入ってきた。
当時のロケットは、すべて固体燃料のロケットだったので
こんな長距離まで飛行するロケットなどありえないと思っていた。
現在でこそ、液体燃料ロケットは普通であるが
当時では、液体燃料ロケットなどは想像もしていなかった。
固形燃料は一度点火したら、もはや燃料が燃え尽きるまでは、
コントロールできなくなる。
途中で燃焼を停止することなどできないのだ。
それに比べて、液体燃料ロケットなら、燃焼室へ燃料を注ぎ込むのを
ストップするだけで、エンジンが停止するのである。
そして、再度、燃焼室に燃料を吹き込んで点火すれば
再発火して、ロケット推進の機能が再開できるのである。
つまり、V2ロケットは誘導しながら、
ロンドンに投下できることになったのである。
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