酸素魚雷
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酸素魚雷とは燃料に使う酸化剤として空気の代わりに濃い
酸素混合気体または純粋な酸素を用いた魚雷です。
日本における酸素魚雷は、第二次世界大戦中に実際に運用
された九三式魚雷または、九五式魚雷を指すことになります。
第一次世界大戦以後の魚雷の推進方式は、酸化剤の圧縮空気と
燃料を搭載してエンジンを回転させる内燃機関型が一般的
でした。
他に、電池を使い電気モーターを回転させる推進方式の
魚雷もありましたが、この場合は航続力が小さくなります。
また、航行する速度もかなり遅くなります。
内燃機関型の魚雷は、高速で長射程ですが、多くの目立った
排気ガスの気泡が発生するため、魚雷の航行する跡を残す
ことになります。
このため、相手側には、魚雷の存在がわかってしまいます。
これに対して、酸素魚雷は、圧縮空気ではなく純酸素を使用
しています。
だから、炭酸ガスと水蒸気のみが排気ガスの成分になります。
炭酸ガスと水蒸気は海水に溶けてしまうために、酸素魚雷
では、航行するときに泡のような跡を残さないことになります。
つまり、電気式の魚雷と同様に隠密で航行することができます。
酸素魚雷による推進は、燃焼効率がよいために、速力や航続力も
通常の圧縮空気タイプの魚雷よりもアップしています。
このように、酸素魚雷は多くの利点がありながらも、燃焼反応
が激しいために、エンジンの始動時に容易に爆発するという
危険性がありました。
しかし、これらの問題点を乗り越えて、日本が世界に先駆けて
酸素魚雷の開発に成功することになりました。
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