大杉谷の遭難事故
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大杉谷吊り橋事故とは、1979年9月15日に三重県多気郡
大台町の宮川上流、吉野熊野国立公園内にある渓谷で
起きた吊り橋の落下事故です。
老朽化した吊橋を、ほとんどが初心者からなる登山
サークル一行の52名にふりかかった事故です。
老朽化した吊橋には、「通行は一人ずつ」との警告板が
かかげてあったのですが、これを無視して、10人ずつ
渡った結果、ケーブル2本のうち1本が切断し1名が墜落
死亡し、1名が重傷を負いました。
この一行は、1泊2日で行程を組んでいたために、この
吊り橋で待たされると日没までに山の家に到着できなくなる
状態にありました。
このため、先に渡っている登山客が、これを止めるように
忠告したのですが、これを無視して強行的に通行しようと
しました。
この事故に関して、サークルリーダーへの刑事責任は
問われませんでした。
遺族は三重県と国に対して、6900万円の損害賠償を求める
国家賠償訴訟を神戸地裁に起こしました。
これに対して、国には吊橋の設置管理費用負担者の責任がある
ものの、一方の事故をおこした死亡者側にも警告板を無視した
過失があるとして、3割を減額した賠償を命じた判決が下され
ました。
この事故以降は、環境庁は登山道の安全に注意を配るように
なり、多くの登山道が通行禁止となり、自然保護団体からは
登山道整備を行うことになりました。
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