燃料気化爆弾
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燃料気化爆弾は、火薬そのものではなく酸化エチレン、酸化プロピレン
などの燃料を一次爆薬によって加圧沸騰させて空中に散布します。
燃料気化爆弾は、金属片をまき散らすのではなく、爆風の衝撃波に
よって人体を損傷させます。
まづ、人体の耳と目を破壊し、それから、皮膚と肺を焼き尽くして
しまいます。
この燃料気化爆弾は、1980年代にアメリカで実用化されました。
空間爆発によって強大な衝撃波を発生させて、12気圧以上の圧力と
3,000℃もの高温を発生させます。
最近では、燃料ではなくサーモバリック爆薬と呼ばれる専用の爆薬を
使用するようになってきています。
この燃料気化爆弾が航空機から投下された場合には、一定の高度に
達すると信管が作動するようになっています。
信管が作動すると、RDXなどの一次爆薬が起爆して液体燃料を加圧して
沸騰させます。
そして、高温高圧の状態が限界に達すると放出弁が開くことにより、
急激な圧力低下が起こって液体燃料が蒸発して高速で噴出します。
このときの噴出速度は、秒速2,000メートルにも達します。
燃料気化爆弾の特徴は、爆発の破片による被害は少ないのであるが、
急激な気圧の変化によって人間が内臓破裂などを起こします。
また、燃焼により周りの酸素が大量に消費するために、人間が窒息死
する場合もあります。
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