ヒンデンブルク号の爆発
1937年5月6日にアメリカ・ニュージャージー州の
海軍飛行場で、ドイツの飛行船のヒンデンブルク号の
爆発事故は起きました。
この事故で、乗員と乗客と地上の作業員を合わせて
36名が死亡し、他にも多くの乗客が重症を負っています。
当時の飛行船でも現在のようにヘリウムガスを使える状態には
なっていました。
しかし、ヒンデンブルク号水素ガスを使っていため、わづかの
発火でさえも大事故につながることは当然ながら、
予想されていたことです。
飛行船に充填された水素ガスへの引火が原因とされるこの
悲惨な事故をきっかけにして、空の輸送は飛行機 の時代に
代わっていくことになります。
爆発事故の発端は、悪天候の中をレイクハースト海軍飛行場に
着陸寸前に、船内からロープを地上に降ろしているときに、
船尾に閃光が走り、あっという間に炎が船体を包んんで
突然爆発を起こしました。
ヒンデンブルク号は炎上した状態で、そのまま墜落して
いきました。
飛行船は待ち受けていた大勢の人々の眼前に墜落して、わずか
40秒で全焼したのです。
このときのラジオを中継中のアナウンサーは、真に迫って
泣きながら実況を伝えていたのが印象的でした。
爆発の原因は、ヒンデンブルク号の外皮に塗ってあるゴムが
摩擦することにより、静電気が火花を発して、水素に引火した
ものであることが判明しました。
水素は、わづかの低濃度でも爆発する危険性が高くて、静電気が
原因で発火する可能性があることは始めからわかっていたことです。
当初は、ヒンデンブルク号の設計者は、水素でなくヘリウムガスの
使用を提案していたのです。
しかし、世界でただ唯一のヘリウム産出国であったアメリカは、
ナチがヒンデンブルク号を軍用に応用することを恐れて、
ヘリウムの供給を認めなかったのは皮肉なことです。
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