空母の着艦ワイヤーが切れる
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艦載機が空母に着艦する場合には、着艦直後に飛行甲板に張られた
アレスティング・ワイヤーに機体のフックに引っかけて強制的に停止
させます。
これは、第2次世界大戦前からある強引な方法で急停止させる方法です。
ただし、ワーヤーの張度が強すぎたりすると、パイロットや艦載機への
負担が大きくなるだけでなく、ワイヤーが切れやすくなってしまいます。
アレスティング・ワイヤーは、空母の甲板上に3本か4本並べられていて、
パイロットは、2本目か3本目のワイヤーに着艦フックが引っ掛かるように
します。
空母に着艦する場合には、わずか100メートルほどの距離で急停止させる
必要があるために、艦載機の機体は陸上機以上に大きな衝撃に耐えるように
設計されています。
その強度は、陸上機に比べて、6倍もの衝撃に対する強度があると言われて
います。
また、空母の甲板は絶えず揺れ動いているために、着陸装置の主脚は片側
だけでも1本で着艦が可能な強度に設計されています。
2016年3月18日に、米海軍の空母ドワイト・D・アイゼンハワーから
E-2Cホークアイ早期警戒機が離艦しました。
そして、このE-2Cホークアイが着艦するときに、艦上で機体を捕捉する
アレスティング・ワイヤーが切れる事故がおきました。
E-2Cは、そのまま海に突っ込むのかと思ったら、海上に落ちる寸前に
体勢を立て直し、機体を引き起こして、そのまま浮上しました。
この行動に対して、パイロットを含む乗組員の3人に、Air Medal勲章が
授与されました。
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