ナイロンザイル事故
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ナイロンザイル事故は、事故と言うよりも事件になります。
ナイロンザイル切断事件とも言われて、1955年(昭和30年)
1月2日に日本の登山者が東洋レーヨンのナイロン糸の切断に
よって墜落死亡した事件です。
当時のナイロン製ロープは、まだ出回り始めたばかりであった
ばかりであり、このロープに対して登山者は何の疑問も持たず
に信頼して使用していました。
このロープは、柔らかくて軽量で、しかも凍結しにくいもので
あったため、取扱いが楽でした。
登山クラブ「三重県岩稜会」の3人の学生が北アルプス前穂高岳
東壁を登山していました。
ここで、頭上の岩にかけた新品の直径8 mmナイロンザイルが
何の前触れもなく切断してしまいました。
そのため、ナイロンザイルに頼っていた学生の1人は山から
墜落して死亡しました。
そして、この事件を発端にして、「ナイロンザイル事件」と
呼ばれる社会問題にまで発展しました。
事件が経過して、死亡した学生の実兄がこの原因を突き止める
ように実験をしました。
ここで、実験を何度も繰り返すことによって、直径8 mmナイロン
製ロープに1トン以上の抗張力がかかった状態で鋭角の岩角に
引っかけた場合には、簡単に破断することを突き止めました。
この後は、世界で初めてのクライミングロープの安全基準が日本に
できることになりました。
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