航空機のダッチロール事故
ダッチロールは、航空機の飛行中に発生する振動現象の
一つです。
ダッチロールとは、航空機がヨー方向とロール方向の振動
を繰り返す現象です。
左右に揺れる「ロール」と、機首が上下に振れる「ヨー」
が同時に発生する動きを指します。
ダッチロールの語源はスケート用語だという説もありますが
実際のところはわかりません。
航空機が横滑りをした際、大きな内外の翼の迎角差が生じ、
強い反対方向のローリングモーメントが発生することが
あります。
このとき、横滑りの原因になった傾きは解消するが、今度は
勢い余って反対側に傾いてしまうことがあるため、左右に
ロールする振動が発生します。
ダッチロール事故は非常に危険であり、制御不能な状況に
陥る可能性があります。
このような事故が発生すると、乗客や乗員の安全が脅かされる
可能性があります。
事故例:
●1959年に発生した顧客受入飛行中のボーイング707型機では、
新しいパイロットに飛行技術を習熟させるためヨー・ダンパー
をオフにしたところ、訓練パイロットの操縦がダッチロール
運動を激しく悪化させ、4基のエンジンのうち3基が切脱落
しました。
●1985年に発生した日本航空123便墜落事故では、垂直尾翼を
失いヨー安定性が損なわれたため、激しいダッチロールが
生じました。
●2005年に発生したエアトランサット961便事故では、構造的問題
によりラダーが疲労破壊を起こし、巡航中に突然コントロールを失い、
ダッチロールに見舞われました。
幸い緊急着陸に成功し、死者は出なかったそうです。
ダッチロールは、航空機の安全性に関わる重要な問題です。
航空機メーカーや航空会社は、ダッチロール対策を講じることで、
事故を防ぐ努力を続けています。
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