ヌーとシマウマのワニ川越え
ヌーは、アフリカのタンザニアとケニアに生息しています。
ヌーは毎年4月になると、数万から数十万頭の群れをつくって
エサの豊富な草原を求めて大移動を開始します。
この草原に行き着くためには、ワニがあちらこちらにいる
マラ川を渡って行かなくてはなりません。
ところが、ヌーが移動するときは、シマウマも移動します。
ヌーは性質が臆病なために、必ずしも川を渡りきるような
勇気がありません。
そこで、勇敢なシマウマが上手に誘導して、一緒に川を渡って
いきます。
ヌーとシマウマはお互いの利点があって助け合いながら
生活をしています。
シマウマは視力はよくても、嗅覚が弱いのです。反対に、ヌーは、
嗅覚は鋭いが視力が悪いのです。
だから、お互いの利点を認め合いながら、行動を共にして
いるのです。
シマウマとヌーを川の中で襲おうと、ワニが待ち伏せていますが、
シマウマとヌーたちも簡単に捕食されるわけにはいきません。
シマウマは泳ぎが得意なため、ワニも容易に的を絞ることが
困難です。
ヌーは大群で固まって押し寄せてくるため、ワニもヌーのパワーに
を踏んだり蹴ったりされてしまいます。
ヌーは勢いよく水中を走って、ワニを乗り越えて行きます。
一番危険なシマウマは、まだ川を初めて渡る子馬です。
シマウマはマラ川をわたるのに30秒かかります。この間に
群れから離れた子馬はワニの餌食になってしまいます。
しかし、子馬でも必ずしも、ワニに捕食されるわけではなく、
ほとんどの子馬もワニから逃げ切ることができます。
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