局地戦闘機・震電の実体
高度1万メートルを飛来するB29に対して、従来の
日本軍機での迎撃は困難であった。
ここに、B29を迎撃専用に開発された前翼型の局地戦闘機
である “震電” が終戦直前に登場した。
しかし、この震電は終戦によって、一度も実戦に使われる
ようなことはなかった。
震電は、旧日本海軍が試作した前翼型の独特な機体形状を持つ
局地戦闘機である。
前翼型飛行機とは、水平尾翼をなくして、主翼の前方に
水平小翼を取り付けた形状の飛行機である。
従来の通常の戦闘機においては、プロペラ、エンジン、武装の
配置が機体の前方に集中していた。
前翼機では、機関砲などを前方に配置させて、エンジンと
プロペラを後方に取り付けることで機体容積を有効に活用
することができるようになった。
そして、前翼自体も揚力を発生させることになるから、
結果的には、機体をいっそう小型にすることが可能となった。
震電のプロペラは6枚付いていて、最高速度が約740km/h
に到達するように設計されていた。
震電の場合は、格闘性能を無視して、B29に対しての
攻撃に特化した設計となっていた。
震電は、30mm機銃を4門搭載していて、1万メートル以上の
高度で、B29を迎え撃つことができた。
高速のために、B29を援護しているP51戦闘機も振り切ることが
できるほどであった。
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