液体ロケットと固体ロケットの違い
液体ロケットとは、燃料であるケロシンなどと液体酸素の両方を
霧状で燃焼室に噴射して、混合させて点火により爆発させて
ガスをノズルから噴射させるものです。
ここでいう燃料のケロシンとは、燈油のことです。
燃料は液体水素の場合もあります。
このケロシンなどの燃料と液体酸素を混合したものが
ロケットの推進剤です。
液体ロケットとは、正確には液体推進剤ロケットということです。
燃焼途中で、推進剤の噴射を遮断すると、ロケット噴射は停止します。
さらに、燃焼室への推進剤の噴射を再開して点火させると
ロケット噴射も再開することになります。
つまり、液体ロケットは噴射の制御ができるということです。
これに対して、固体燃料を推進剤にした固体ロケットは
一度、点火すれば、途中で燃焼を止めることはできません。
ここが、固体ロケットの欠点ですが
固体ロケットの顕著な利点は、いつでもすぐに発射できるということです。
液体ロケットの場合は、液体酸素をロケットのタンクに注入したら
すぐに発射しないと、液体酸素が外部に蒸発していきます。
このため、発射直前に推進剤をタンクに注入する必要があるため
発射までに時間を要します。
かなり昔のアメリカのICBMであるアトラスは、液体ロケットでした。
現在のICBMの主力は固体推進剤ロケットのミニットマンです。
とはいえ、これは昔のことであり、現在では
液体ロケットも、常温で長期間の推進剤の保存が可能であるため
発射での即応性において、固体ロケットに劣ることはありません。
ただし、液体ロケットの場合は推進剤による腐食で事故が起こりやすくなります。
発射の即応性を要するミサイルとして使用するには、固体ロケットに限ります。